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『フルーツセレクター』シリーズ : クボタ
最終更新日 2010/08/10
酸いも甘いも光で簡単診断
フルーツセレクター ボイスガイド。
糖度・酸度だけでなく、重量も測定する優れもの!
卓上で使うフルーツセレクターボイスガイド(左)、
携帯して屋外でも使えるフルーツセレクター(右)
シーンに合わせてお使いいただけます。
「もう果実を傷めません。」
当社のフルーツセレクターでは、青果物に傷をつけずに糖度・酸度を測ることができます。
従来の糖度計では、糖度を測る際にどうしても果実を切った上で果汁を測定するために、切ってしまった時点で商品として出荷できなくなってしまっていました。

しかしフルーツセレクターでは、糖度・酸度を分析する際に使うのは「光」のみ。
測定したい青果物を測定部に当てるだけで、果実を傷つけることなく糖度・酸度を誰でも簡単に測定することができます。
果実を傷つけることなく測定できるので、測定した青果物もそのまま出荷することができます。
測定時間も約2秒(※)~。素早く結果を知ることができます。

『フルーツセレクター携帯型』では、ショルダータイプになっているので持ち運びができ、樹上の果実も切らずに測定することができます。
このため、収穫前の青果物の糖度を生産現場で測ることも可能になり、適切な収穫時期の判定に役立ちます。

『フルーツセレクターボイスガイド』では、糖度・酸度に加えて“重さ”をも測定します。
糖度・酸度によって決められる【等級】と重さによって決められる【階級】の設定が自由にでき、さらに、等級と階級との組み合わせによって選別番号を振り当てることができます。
振り当てた番号に従って箱詰めをすれば、簡単に内部品質と大きさ(重さ)のそろった選別が簡単にできます。
また、測定結果を液晶画面に表示するだけでなく、音声でも教えてくれます。

お客様の使用目的に合わせて生産・指導・流通・出荷など、さまざまな現場で活躍できます。
「一度使うと絶対に手放せなくなる」とお客様からの信頼も厚いフルーツセレクター。
農産物のブランドの確立にも一役買っています。
あなたもフルーツセレクターの魅力に「ノックアウト」される日はそう遠くないかもしれません!?

※ 測定する青果物によって測定時間は異なります。
青果物の【ブランド力】を上げるために…“非破壊”で品質を証明せよ
制御システム部
1962年3月23日生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了。学生時代の専門は農業機械、研究に没頭し、その経験がフルーツセレクターの開発に活かされている。製品をうまく活用してもらいたいという想いから、日々開発に勤しむ。
クボタは1890年創業、一世紀以上の歴史を持つ会社だ。
その始まりは、「鋳物」。1893年に水道用の鋳鉄管を製造、1922年以降はさまざまな農業機械を製造するなど「土(農業)」、「水」、「環境」のドメインで多角化を図っていく。

事業範囲を広げていく中、1980年代半ば、技術開発研究所で光応用計測の研究がなされ、あらたな事業になり得る技術が模索される。
その一つが、フルーツセレクターに用いられている【近赤外分光分析技術】。
日本農業の厳しい現状をとらえ、農業者の役に立つ商品を、日本農業の今後に一光を投げかける商品を、という技術開発を行う森本の奮闘に迫る。
【クボタの独自技術開発、その裏側】
1980年代半ば、クボタの技術開発研究所で新たな技術の調査・研究がなされていた。
キーワードは【光】。
当時、クボタには【光】技術はなく、新規事業へ結びつく光技術が模索された。
その結果、森本が携わることになった近赤外分光分析技術が有力候補として浮上してきた。
近赤外分光分析技術は農産物の内部品質を定性・定量的に分析するには最適の【光】応用計測技術であり、農業市場を事業対象とするクボタには受け入れやすかった。

そこで、1990年初頭に近赤外分光分析技術を応用した穀類の分析計の研究開発が進められる。
社外での協力も得ながら、1994年にはその開発の結果となる食味分析計「味選人」が製品化された。

「味選人」は、米の食味に関連する成分を測り、分かりやすく表示するとともに【おいしさ】を点数化して示すことができた。
しかも、【近赤外光】のなかでも波長の短い領域に着目することにより従来の分析法で必要だった測定前の米の粉砕処理が不要となり、前処理無しで測定が可能になった。
この無粉砕測定を実現した米の食味分析計は、業界の中でも初めての試みだった。

「味選人」は、生産者だけでなく米の卸、小売業にも生産物の品質チェックや魅力ある米作りのためのデータベース作りに応用された。
この製品化によって恩恵を受けたのは顧客だけではなかった。
「味選人」の開発を経て、森本は次の開発に向けて多くのノウハウを確実に蓄積していった。
【フルーツセレクターの開発は現場から】
食味分析計「味選人」の開発も一段落し、新たに開発陣が増員され課せられた課題が、装置の小型・高性能化と近赤外分光技術を用いた新製品の開発であった。
まず、森本は装置の小型・高性能化のために心臓部の分光部開発に取り組んだ。
その結果「味選人」分光部の容積比が1/3でありながら、波長分解能は倍の精度をもつ分光部の開発に成功した。

そんな折、社内で海外留学制度の募集があった。
自己の近赤外分光技術の更なるレベルアップを望んでいた森本は、分光部開発の目処もたったことから
近赤外分光技術の権威である米国のDr.McClure教授(North Carolina State University、現在は名誉教授)のもとに2年間、近赤外分光分析技術の研究へと旅立った。

その間、日本では残った開発陣が近赤外技術の新たな応用分野を探していた。
その結果、大手スーパーの青果売り場で消費者に点等の青果物の糖度を自由に測らせたいとのニーズがあることをつかんだ。
そこで、森本の開発した小型分光部を搭載した卓上型の青果物非破壊品質評価装置「フルーツセレクター」の開発を行った。
何とか製品はできたのだが、残念ながらスーパーの反応は予想したほどではなく、事業としては苦戦を強いられていた。

そんな状況下に森本は帰国、すぐにフルーツセレクター開発チームに合流した。
チームの仲間と共に足を運んだ大規模選果施設。
森本の技術と同じ技術を用いて青果物の糖度・酸度を選別するラインが目に飛び込んでくる。
海外からの輸入農産物、産地間競争の激化にさらされていた農業者は自分で作った農産物の品質の確保、イメージアップを図ろうと必死になっていた。

森本は現場の声に耳を傾けた。
大型選果施設では、切実な問題として、選別の結果、品質が悪いと判断された生産物は加工用に二束三文で引き取られていた。
そんな中、農業現場者からの
「生育中の樹になった状態で生産物の品質測定ができる装置があれば、収穫前に品質改善や収穫適期判定ができ、生産物全体の品質向上に役立つ。外で使えるものはないのか?」
そこに森本は目をつけた。
「持ち運びができて外で使える携帯型装置の開発だ!」

森本は持ち運びができ、生産現場で誰でも簡単に使える装置の開発に取り掛かった。
しかし、現場の測定環境は室内に比べ温度も安定していなし、近赤外光を用いた装置にとって外の光は大きなノイズとなる。
測定対象は成熟したものだけでなく、未熟なものも測定できなければならない。

悩みの種はそれだけではない。
いくら測定結果が正確に出ても、測定方法自体が難しければ誰もが使える装置にならない。
森本は山積する課題の一つ一つを丁寧に解決していった。

環境変動に対応するための自動補正機構の搭載、樹上のサンプルでも測定可能にする光ファイバプローブ、手軽にスイッチ一つで測定できるようにもした。
また、生育中の未熟サンプルのデータも農業試験場や産地の協力を得ながら取り組んでいった。

そして、ついに実用に耐えうる装置を作り出した。
2001年、携帯型『フルーツセレクター』誕生の瞬間である。
【クレームによる精緻化】
携帯型『フルーツセレクター』が完成、いよいよ販売された。
世は農産物のブランド化の時代。
初めて買ってくれた産地直売農業者が、
「この装置なしでは、安心して出荷できない。この機械のおかげで取引先も増えたよ」
と聞かされた。
「良いものだと認められる商品を作った!」
森本は今までの苦労を思い、仲間と喜び合った。

しかし、全部が全部そう簡単には売れないのが実情。販売の難しさを痛感することになる。
果樹関係はクボタの販売ルートがなく、自分たちで顧客を探さなければならなかった。
また、トラクタやコンバインのような農業機械ではメジャーなクボタでも測定・選別機器分野では全くの無名であった。
開発者自ら一丸となっての販売活動だった。

顧客を求めて営業活動を続ける毎日。日本全国を回った。
収穫期にデモを行って実用性を示し性能に納得してもらわなければ意味がない。
青果物の収穫時期は限定されている。時期を逃すと次のチャンスは1年後になってしまう。
1日に何件も農家、農協を訪ねて回った。

しかし、「非破壊で測って正しい結果が出るの?」「本当に測れるの?」「怪しいんじゃないの?」
という声が耳に入る。
新しい概念の製品に対する不信感。
クボタブランドが通じにくい市場、クボタをよく知っている顧客からはクボタの製品と思ってもらえないこともあった。

また、営業活動を続ける中でも森本が一番頭を悩ませたのが「測定基準」だ。
従来から行われている簡易的な分析法(サンプルを破壊、搾汁)で測った場合と『フルーツセレクター』で測った場合とで違いが生じる場合があるのだ。
原因追求のために何個も何個も青果物を測定しては、従来法との比較が行われた。
調査の結果、青果物の中身が不均一で、測定箇所や測定方法で同じサンプルでも異なる結果が得られることが原因であった。

その結果をもって顧客の意見を聞いたり、農業試験場と連携したりして、全ての人が納得できるような測定基準を確立していく。
このような地道な活動を通して、徐々に顧客や代理店の信用を得てその認知度を高めていった。
「頑張る農業者の手助けとなりたい!」
森本を支えているのは、この想いだった。

「現場の声を聞かなければ本当に良いものは作れない。」
森本は農業者を手助けするための道具として、『フルーツセレクター』の改良を重ねていった。
【時代に合わせた改良-現場から学べ】
このような苦労を乗り越えて認知されるようになった『フルーツセレクター』だが、
新しく市場を開拓することから始めなければならなかったため、事業としての結果を出すまでに時間がかかり事業の継続が危ぶまれた。
「技術としてはユニークで社外の評価が高い」ということで、事業の継続はかろうじて認められた。
しかし、次期製品開発では人員は減らされ、開発担当は森本1人となり辛うじて残った他の開発者は営業担当となった。

ここから、森本の≪改良≫に向けた躍進が始まる。
森本は、再度携帯型『フルーツセレクター』の顧客を訪問し、実際に果樹生産現場や選果場がどうなっているかを自身の目で確認し、必要な機能が何であるかを見極めた。

農産物のブランド化が激化している昨今。
「食の安全・安心」や「トレーサビリティ」といった言葉が農業分野のキーワードとなり、品質が良く安心な農産物を手に入れるために、産地直送のものを購入する消費者の動きが見られるようになった。
農業者はブランドを守るために農産物の品質維持、向上を図る必要がある。
これまでは大規模産地が大型選果設備を作り、この要望に応えてきたが、自分が作った農産物も他人が作った農産物も同じように扱われるのが現状。
また、巨大な投資が必要な選果場の建設は、日本の農業を支える大多数の小規模な農協や営農集団にはとても手がでるものではない。

今、現場では大型選果設備にかわる安価な選果機が求められている。
森本は、選果設備のなかで選果に必要最小限の機能に絞り込むことで安価な選果装置が実現できないのか、さらに現場での調査を続けた。
その結果、基本は「大きさ(重さ)」と「糖度/酸度の内部品質」による選別、箱詰めに絞り込むことができることが分かった。

森本は、『フルーツセレクター』に【重さ】を量る機能をプラスし、糖度・酸度だけでなく重さとの組み合わせによってカテゴリーを設定できるようにした。
さらに、青果物を乗せるだけで測定、選別結果が画面と音声で指示されるようにすることで、誰でも簡単に、糖度・酸度、重さ(=大きさ)も揃った生産物を選別して箱詰めすることができるのだ。

【現地・現物・現場】を確認して回る森本。
ただ「良いものを作りたい」という想いがあるだけだった。その想いに突き動かされていた。
開発は孤軍奮闘で、胃が痛くなることもあった。
「苦しい反面、お客様に認められたとき、うまく使ってもらえたとき、喜びが込み上げてくるんです。」
そこには技術屋としての生きがいを覗かせる森本がいた。
【成長を願う親心】
森本の手から離れ、日本全国に旅立った『フルーツセレクター』。
森本にとって『フルーツセレクター』を販売するということは、自分の子供を送り出すようなものだ。
そのような想いを持って使用者と接するため、利用者との信頼関係は厚い。
「実際に使われている方と顔の見える関係を作っているからこそ、次につながるようなダイレクトな声もいただけるんです。」
と語る森本。

「誰も管理をしてくれるような人がいないところに設置されるのは、本当は売りたくないんです・・・」
ある顧客のところで乱暴な扱いをされていた製品を見たことがあって以来の想いだ。
森本の『フルーツセレクター』への思い入れが分かる。

また、森本は嬉しそうに一つの記事を取り出した。
『フルーツセレクター』で選別した高糖度ナシのブランド化に貢献した記事だった。
さまざまな苦労の末に完成した『フルーツセレクター』の成長を喜ぶ、親の顔だった。

この『フルーツセレクター』の今後の展望は明るい。
日本農業の現状として、大型選果施設が建設しにくいという現状がある。
『フルーツセレクター』をネットワークでつなぐようにすれば、大型選果施設の代替的な役割を果たすことができるのだ。
『フルーツセレクター』の場合、人手がかかるという問題が挙げられるかもしれない。

しかし、ほとんどの選果場での選別作業は多くの人手で行われているのが現状だ。
測定にかかる時間さえ短ければ、大型選果施設と同等の役割を果たすことができる。
農産物のブランド化のみならず、日本農業が抱える問題に対してをも一光を投げかける森本の今後の活動に注目だ。
「ライバルは軽トラ!」

『フルーツセレクター』の価格は、ちょうど軽トラの価格と同程度。
『フルーツセレクター』は収穫の時期という限られた期間での使用だが、軽トラは年中通してよく働いてくれる、というお客様の声。
価格の壁をどう打破していくか、より高い付加価値をどうやって提供していくかが今後の課題と言える。

また、『フルーツセレクター』に利用されている近赤外分光分析法は、
物体内の様々な成分を見ることができるため、農産物の内部品質測定に止まらず、
医療や医薬、水産業などの分野での応用が可能。
クボタだけの技術としてではなく、さまざまな分野で、
より多くの方の役に立つような、身近な技術になってもらいたい、と森本は語る。
「簡単に測定!」を実際にされている様子。
想いが詰まった『フルーツセレクター』と共に。
比類なきクボタの技術とその裏にある想い
左:鈴木さん 中央:森本さん 右:石橋さん
鈴木さんが肩から提げているのが、携帯型の
『フルーツセレクター』
クボタ本社。
食は生活の基本。クボタで働くたくさんの方の頑張
りがあって、私たちの豊かな生活があるんですね。
今日は、農業機械などで有名なクボタの久宝寺事業センターにお邪魔しました!
そのクボタ、実は農業機械が始まりではなく「鋳物」が始まりだったことに驚きです。
今ではそのコア技術をはじめ、さまざまな技術で私たちの生活を支えてくれている、ということを勉強してからお伺いしました。

久宝寺事業センターでは『フルーツセレクター』はじめ、いろいろな機械が作られているそうです。
どんな機械が作られているのかを考えただけでドキドキしました。

そして、私がドキドキしていた理由がもう一つ。
実は私も農業について少し興味を持って勉強していました。
今回お話をお伺いした『フルーツセレクター』は、私が勉強しているときにも、耳にしたことがあった分析装置です!
「あの『フルーツセレクター』のお話をお伺いすることができるのかぁ・・・!」
もう私のテンションあがりっぱなしです!

実際に『フルーツセレクター』の開発についてのお話になると、
森本さんはじめ、鈴木さん、石橋さんの顔が生き生きされていて、
「本当に『フルーツセレクター』に対する想いが強いんだなぁ・・・」と思いました。

特に、実際に現場で『フルーツセレクター』を販売するときに体験された苦労話や、
『フルーツセレクター』を使用されている方の意見を聞いて回られたときの苦労話をされているとき、本当に大変な思いをされたんだな、ということが伝わってきました。
また、『フルーツセレクター』が使用されている方の役に立っている、というお話をされているときには、本当に素晴らしい笑顔でお話いただきました!
それはもう、息子・娘に対する思いと同じような思いでお話されているようでした。
語っても語りきれない想いの結集が『フルーツセレクター』なんだと思います。
これからも、いろんな現場で活躍してもらいたい、と思いました。

『フルーツセレクター』には思いも詰まっていますが、技術も詰まっています。
「開発の最後の仕上げは現場で!!」という森本さんのお話から、クボタの大きさを再認識させていただきました。
お忙しいところ、ありがとうございました。

『フルーツセレクター』
http://www.rice-fruit.kubota.ne.jp/fruit/index.html
会社名株式会社クボタ
URLhttp://www.kubota.co.jp/
設立1930/12/22
代表者幡掛大輔
資本金840億円
商品分類機械・部品 - 機械・工作機械・ロボット
従業員数24,464 名
事業所大阪府八尾市神武町2-35 (久宝寺事業センター)
お問い合わせ先制御システム部 : 森本 進
お問い合わせ電話番号072-993-2096
お問い合わせ FAX 番号072-993-5084
経営理念
クボタグループは、
豊かな生活と社会の基盤を支える
製品・技術・サービスを通じて、
社会の発展と地球環境の保全に
貢献します。
主な事業
「農業機械」「産業機械」「水システム」「環境システム」「都市・インフラ」などの事業分野のシステム・製品の研究開発・製造および販売
ユーザー名 :
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