/挑人/

三粧化研

尾崎 克美
/Katsumi Ozaki/

海藻ゲルカプセル : 三粧化研 /Profile/
大阪産業大学工学部交通機械工学科卒業。 学生時代に熱中したことは、野球、サッカー、バイクツーリング、テニス、合気道…がある。 趣味は、キャンプ、写真。 『身の回りの人を幸せにすることが、自分を一番幸せにすることになる』という考え方を、大切にしている。

開発商品

海藻ゲルカプセル

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STORY
/挑人ストーリー/

美容+エンターテイメント=COSMETAINMENT

課題
2001年というのは、三粧化研にとってのターニングポイントとなる年になった。
それまで、大手・中堅化粧品メーカーのOEM(相手先ブランドによる生産供給)を主体としていた。
売上高の7割を占めるあるOEM契約提携先から、突然の“内製化”を告げられる。

今までの形態や、やり方では通用しなくなったのだ。

このような環境変化に対応するため、自分たちのコーポレート・アイデンティティを明確にし、“自社製品の開発”に挑戦していく日々が始まるのであった。

Chapter1

【夢を共有できる企業へ~COSMETAINMENTとは】

COSMETAINMENT(コスメテインメント)。
自社製品開発を始めるにおいて、会社全体で一つの理念を作ったのだった。

Cosme” プラス “entertainment” を融合させた、考え方である。
(コスメを通じてお客様と楽しさや驚き、夢を共有するエンターテインメント)

つまり、”たのしい””お客様が手に取ったときの喜び”を第一に作り上げていこう!といった、考え方の柱である。
自社製品の開発を進める中で、もっとも大切にした考え方なのだ。

自分たちの肌につけるものだからこそ、やはり感動や喜びといったものを伝えられるものでなければ…
そんな、思いが込められた商品開発が始まったのである。

Chapter2

【すべては、使う楽しさを発信していくために・・・“開発提案型企業への変身”】

COSMETAINMENT(コスメテインメント)の理念を大切にしているからこそ生まれた仕組みとは・・・。

「開発」「販売」の強化である。
一般の人に商品が届くまでのフローは、「開発」「製造」「販売」といった大きく3つの部門に分れている。
今までは、「製造」面で安心と信頼を創造してきたと自負している。

しかしながら、「製造」のみで、COSMETAINMENT(コスメテインメント)の理念を推進していくことは不可能だった。

そのために、「開発」を重視し、ユーザーの方からの意見を商品に生かし、機能性にも優れていることはもちろんのこと五感に訴える楽しさ、驚きを大切にし、夢のあるオンリーワン商品づくりに、重きを置いた。「販売」も強化し、ニッチアイテムシェアナンバーワンに挑戦する体制を創造した。

互いの連携プレーを大切にし、【使う側】の楽しさを中心にオンリーワン商品開発が進められていったのである。

すべてが新しい試みだった。
“受注型企業”から“(仮説)開発提案型企業”へと変身する本当の挑戦が始まっていった。

Chapter3

【海藻ゲルカプセル誕生秘話】

早くも挑戦の成果が現れ始める・・・。
カプセルの商材開発は、1993年に始まり、1998年には特許を取得した。
次いで、2001年にはカプセルが食品用特許を取得。

そして、実用化されたのが『海藻ゲルカプセル』である。

この誕生に関係するもの…それは、私たちが口にする、あるものが重要な存在になっている。

そう、それは…世界三大珍味の、黒くて、粒粒の…“キャビア”である。

カプセルの周りの膜に、海藻成分などを使用し、成分の酸化を防いだり、使用感をしっとりさせたりといった、触感においての変化を生みだしたのだ。

実際に化粧水の中に、どのような成分がはいっているのか。
カプセルにすることで、視覚においての”安心感”を、伝えられる商品がここに完成したのだ。

それこそ、理念の“COSMETAINMENT(コスメテインメント)”の実践だ。

Chapter4

【爆発的なヒット商品誕生~意外な販売先とは。】

自らの理念に基づいて、誕生した「海藻ゲルカプセル」とともに大ヒットを飛ばした主力商品。
それが、業界初の“ピーリングジェル”だ。

これが爆発的にヒットしたのは、運命だったのかもしれない。
まさに、「風が吹けばおけやが儲かる。」のごとくである。
2003年、三粧化研が「ピーリングジェル」を販売した先は理美容関係の企業だった。
そして、その理美容の企業が、商品を卸した先というのが、日本人が大好きな“温泉”だった。
そこからは、“商品の一人営業”が始まった。

使った人から、人へ…口コミで、ピーリングジェルの良さは広まっていったのである。
なぜなら、古い角質が目でみてとれる楽しさを実現させた、使う楽しさを取り入れていたからだ。

“角質ケア”を気にする消費者と、そういった消費者のニーズをキャッチする三粧化研のアンテナがマッチした商品となったのだ。

Chapter5

【消費者のニーズに合わせた開発提案型営業へ~OEMからODMへ】

これら、カプセル、ピーリングジェル以外にも、見た目にも、使った感じにも、驚き、楽しさを与える商品が様々ある。

オイルシート、ウォータージェル…、そして、なんとカラフルなクレンジングオイルまで。

ただの化粧品ではなく、楽しませる化粧品。
COSMETAINMENTの精神が伝わった商品が続々と、生まれているのである。

下請け型OEMではなく、常に消費者のニーズにあったものを追求している…
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、相手先(顧客)ブランドによる委託生産を受託する製造業者またはその委託生産方式をいうが、ODM(Original Design Manufacturer)は、相手先(顧客)の要求する商品を自ら設計し、相手先(顧客)ブランドで製造、供給する製造業者のことをいう。

「開発提案型企業」への挑戦・OEM企業からODM企業への脱皮は、今後も続くのである。

/プロジェクトの今後/

エンターテイメントの中心は、ラスベガス。
日本だけではなく海外市場を視野に入れている“三粧化研”は、更なる発展を遂げようとしている。

化粧品は人から人へ、口コミで広がっている。
人々のニーズをより早くキャッチすることが求められているのだ。
だからこそ、化粧品産業技術展など展示会へも積極的に出展し、顧客ニーズをいち早くつかんでいる。

顧客が気付いている『顕在ニーズ』に対応すると同時に、顧客の気付いていない『潜在ニーズ』を啓発するという2つの体制を整えつつあるように見えた

/会社訪問/

〈写真左〉研究開発の方々に集合して頂き、「ハイチーズ」みなさん、若々しかったです。
〈写真右〉職場の様子です。大変明るい職場で、右からお二人が2008年度入社の方です。

驚愕!スピード重視の研究開発(顧客ニーズ実現)体制!

「これはちょっと、べたべたしてるなぁ~。」
「さっぱりしすぎてる。」

新しい化粧品に出会ったとき、すぐに自分の肌になじめばOKですが、運命とも言える一品を、“一発で”見つけるのは、至難の業だと思います。

そこで、使った消費者の声や、営業の声を拾って、すぐさま商品に生かす”そんな体制の整っている、三粧化研さんを私は、女性としてとっても、心強く感じました。

それは、なんといっても研究開発の方の“早期対応”の速度ではないでしょうか?

「納期は、早ければ次の日とか…ってこともあるよ」と、開発の方がさらっと答えてらっしゃる姿が、カッコ良かったです。

消費者の声をすぐに反映できるからこそ、より安心して使える商品に成長していくのではないかと思います。

そういった企業風土を、今年入社のお二人は、4ヶ月間の研修で学んでいる最中でした。その中で、すべての部署を回られるそうです。

“COSMETAINMENT”使った人の、驚きや、楽しいと思う気持ちを追及していく三粧化研さんの新商品開発からは、目が離せません。

お仕事中にも関わらず、ご協力頂いたみなさん。
本当にありがとうございました。

Corporate Data/会社概要/

会社名三粧化研株式会社
URLhttp://www.sanshokaken.co.jp/
設立1968/7/1
代表者岡村 謙一郎
資本金4800万円
商品分類医療関連 - 化粧品・生活用品
従業員数70 名
事業所大阪府池田市住吉 2-14-20
お問い合わせ先取締役執行役員経営企画担当(当時) : 尾崎 克美
お問い合わせ電話番号072-763-3414
お問い合わせFAX番号072-763-3441
経営理念ユーザー、販売元のニーズを先取りし、仕入先・同業者の皆様とも共存共栄が図れるグローバルな事業展開を楽しく、活気のある共同体を実践します。
主な事業医薬部外品、化粧品の開発・製造・販売

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