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/挑人/
サラヤ
代島 裕世
/Hirotsugu Daishima/
/Profile/
1965年3月14日生まれ。早稲田大学出身。学生時代は、モダン・ジャズをたしなむ。
「サラヤとの出会いは、東京でタクシードライバーをしていた頃、偶然にも、乗車した創業者・
更家章太(現 最高顧問)に声をかけられたのがきっかけ。」と異色の経歴を持つ。
「たまたま、人生のタイミングと合っていた。」と笑う。
開発商品
無添加せっけん+天然ハーブ arau.(アラウ)
開発商品詳細はこちら
STORY
/挑人ストーリー/
ママと赤ちゃんのために。
課題
小中学校・病院・官公庁・事業所などで必ずあった緑色の石鹸液と容器。
戦後間もない頃から、衛生面に配慮した商品は大ヒット。当時から、環境に優しい植物性原料としてヤシ油を使用していた。
植物性洗剤のさきがけとなったヤシノミ洗剤は、1971年に生まれた。
当初は、業務用に開発されたものだったが、1978年~家庭向けに販売を開始。
それがご存知、発売から30年以上売れ続けているロングセラー商品【ヤシノミ洗剤】だ。
『いつまでも、“ヤシノミ洗剤”に頼っていてはいけない。』
プロジェクトは極秘に進められた・・・。
Chapter1
【脱・ヤシノミ洗剤】
サラヤは、創業当時から、官公庁・学校・事業所などに窓口を開拓するなど、非常に営業力が強い会社だ。
法人向けだけではなく、家庭向けも“ヤシノミ洗剤”がヒットし続けている。
創業者・更家章太社長(当時、現 最高顧問)が全ての商品開発に関わっていた。
そんな中、コンシューマー営業部、故・土井部長を筆頭に、5名の極秘プロジェクトがスタートした。
『石鹸事業だ!“ヤシノミ洗剤”と同じぐらいの強いブランドを立ち上げよう。』
■石鹸と洗剤■
石鹸と洗剤の使用感は、水質に影響される。
硬水の地域は、水中のミネラルと反応する石鹸だとざらつきがでてしまうため洗剤の方が向いているが、
日本は軟水なので、石鹸も使える。
一部の危機感が会社を動かしていった。
Chapter2
【ママと赤ちゃんのために】
ヤシノミ洗剤を使用するのは、「環境にやさしいことをしていたい」という指向をもった人々だ。
毎年、約100万人の新生児が誕生している。
「ヤシノミ洗剤を使っている人が、【赤ちゃんがいる間限定】で安全で環境にやさしいものを指向し、もっとママと赤ちゃんに
フィットしたものを求めないだろうか。」
通常、マーケティング用語で、“カニバリゼーション(cannibalization)”という現象を招く恐れがあった。
カニバリゼーションとは、自社の商品が自社の他の商品を侵食してしまう「共食い」のことをさす。
ここでいうと、arau.がヤシノミ洗剤の市場を凌駕してしまう可能性があったのだ。
しかし、代島の発想は、「共食い」の危険を見事に回避している。
代島は、ある時期、ママの視点になった。
「可愛い赤ちゃんのために、どんなものを使用したいだろうか。自分だったら使うだろうか。」
代島は、常に顧客視点で物事を発想し、思考する。
これが、「共食い」を避け、逆にサラヤファンを増やす結果となったことは言うまでもない。
当時、代島には、小さな赤ちゃんがいた。
「自身の生活とシンクロしながら考えることができたことも大きな要因のひとつ。」と笑う。
Chapter3
【オーナーの反対・・・】
サラヤは、オーナー企業だ。
※オーナー企業とは、経営者が自社の株式の大半を保有している会社のこと。
しかも、それまでの商品は、全て、オーナー創業者である更家章太社長(当時、現 最高顧問)が携わっていた。
コンセプト・商品名(ブランド名)・パッケージ(色・デザイン)・中身・・・
まして、“洗剤”とは別の“石鹸”という方向性。
その他、言い出したらきりがないぐらいのオーナーの意見があったことだろう。
代島の行動は、まさに、逆命利君だった。『命に逆らいて君を利する、之を忠と謂う』
命令に逆らっても、これからのサラヤを考えるとこれが本当の忠臣だと信念をもっていた。
新しいことを立ち上げる時には必要な信念だと思った。
命に従いて君を利する、之を順と為し、
命に従いて君を病(や)ましむる、之を諛(ゆ)と為し、
命に逆らいて君を利する、之を忠と謂い、
命に逆らいて君を病(や)ましむる、之を乱と謂う。
(『説苑(ぜいえん)』劉向より)
ここからが、【社内根回し】のスタートだった。
あらゆる手を使い、オーナーの了解を得た。
「うちは、決まったら早いんです。」
企業文化を逆手にとって、さらに商品化のスピードを上げていった。
代島は、2002年創立50周年までの商品化を意地でも成し遂げたかった。
そこで、自分の可能性を拡げてもらった、創業者であるオーナーが社長から会長に就任する噂があったからだ。
Chapter4
【全ての“洗う・アラウ”シーンを想定する】
その後、代島は、どんどんブランドの幅を増やしていく。
実際に、全ての洗う(アラウ)に対応していった。
なぜ、ブランドの幅を増やすことに注力したのだろうか。
代島がいう。「商品自体が消費者・お客様にメッセージを発してくれるまでに育てたかった。」
キーワードは、【ママ・赤ちゃん・環境・安全・洗う】
このキーワードが出たときには、必ず【arau.(アラウ)】を思い出してもらう。
広告費をかけない、代島なりのやり方だ。
・・・迷ったら、コンセプトにもどる。
「全ては、ママと赤ちゃんのためにだ。」
Chapter5
【単一ブランドで売上高10億円】
現在、単一ブランドで売上高10億円を目指している。
CMも一切していない。広告宣伝費もほとんど、かけていない。
よりユーザーの実態を学習できる仕組みを模索しているだけだ。
“この業界で、単一ブランドで10億はヒット。”
成功を目の前に、代島の鼻息は荒い。